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コラム

もうひとつの世界

掲載日:2015.03.23

 前回この欄で「優しさや思いやりより批判や攻撃ばかり」「自分の有利のために他者を搾取して平気な人たち」「殺しが増幅していく世界」などを感じ、『プチうつ』状態になったことを書きました。心配してメールをくれた人もいましたが、ありがとう、大丈夫ですよ。落ちても上がってくるのが私ですから。(^_^) そしてそんなことの数日後には、私のまわりには私が嘆いたその逆の人たちが存在していることを知りました。
 用事があって数年ぶりに知り合いに電話をしました。彼女は常時犬を数匹飼っています。「ワンちゃんは元気ですか?」と尋ねると、「去年の1月に一匹亡くして、6月に別なのが来たよ」と言います。よくよく聞いてみると、彼女は保健所から老犬を引き取っていたのでした。前回亡くなった犬は足腰も弱く認知症もあり、看取りはかなり大変だったようです。現在3匹の犬を飼っている彼女は、保健所からの連絡で14歳の老犬を引き取りに行ったこともあったそうです。
 2年前に『めい』を亡くし「(こんなに辛い思いをするなら)もう二度と動物は飼わない」と思った私でしたが、出産と同じで(?)時が経つとその辛さを忘れ、最近ではまたにゃんことの暮らしを始めたくなってきています。保健所には「捨て猫が出たら、引き取らせてください」と連絡してあります。
 そんな私は、すぐに死んでしまうような犬や猫を飼おうという気持ちにはなれません。できるだけ長く一緒にいたいと願います。余命いくばくもない犬を引き取りに行くという彼女の気持ちをにわかには理解することができません。「死なれるのは辛くないの?」と聞いてみました。彼女は答えました。「辛いし、ものすごく力を奪われることよ」「でもね、私が引き取らないということは、イコールその子は殺処分されるということなのよ」
 次の言葉をつなげられない私に、「私なんてまだまだよ」「友だちなんて、7匹も飼ってるのよ」と言います。「旅行に行きたいとか服を買いたいとかは、私たちは思わないのよね」と、彼女はさらりと言います。
 う~ん。この衝撃・・・。自分の『得』になるどころかお金も時間もエネルギーもあらゆるものを『消えゆく命』に差し出して、それをことさらに他人に言うこともなく淡々と為している人たちがいる。これも私たちの現実なんだ。う~ん。うれしい衝撃・・・。
  他人の痛みに無関心で自分の利益にのみ走っている人たちと、まさに無償の奉仕を淡々としている彼女のような人たちと、どちらが幸せなのでしょうね。言わずもがなですね。
 彼女のおかげで、まだ悲しみの疼きを抱えていた私の心はとても救われた気がしました。そして更に、翌日のセッションであるクライアントさんが話してくれたことも、「この社会は捨てたものじゃないな」と私に感じさせてくれるものでした。自分には何の見返りもないことを、他者のために自然にできる人たちがこんなにも存在している。そんなこの社会の一端を知ることができて、私は本当にうれしい気持ちになりました。
 こういう人たちが、声高に何かを叫ぶよりも何よりも、静かにそして確かに『優しい社会』を創っているのだと思います。感謝。