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コラム

解離性同一性障害の研修 無事終了しました

掲載日:2016.11.01

 おかげさまで、1年かけて準備をしてきた「解離性同一性障害の研修」を無事に終了することができました。

  当日はNPO団体の支援者の方たちや大学教員、弁護士、精神科医など様々な専門職をはじめとして、家族に解離の症状を抱えた方たちなどが、道内ばかりでなく東京からも参加してくれました。

 研修前夜に会った講師のさちさん(中島幸子さん)から、「実はこの数カ月、症状が悪化していて解離がひどい」と言われました。「明日の研修をやり切れる自信が無い」というのです。焦りました。40人近い参加者がいるのに、「できません」はできない。一瞬「これは困った!」と思いました。が、すぐに「これもいいチャンス!」と思いました。

 だって、「【解離】の研修会で実際に解離が見られるなんて!」(って、見世物じゃないけど)、めったにないチャンスでしょ!「それはそれで、(解離が)起きてもいいじゃん!」と思いました。

 さちさんは、解離して研修ができなくなっては困ると思い、いつも他の研修を一緒にやっているさつきさんに連絡をして、急きょさつきさんが来てくれるよう手配したとのことでした。

 そんなこんなで、当日は午前中はさちさんが一人で、そして午後は昼近くに到着したさつきさんと一緒に研修をしてくれました。さちさんは、さつきさんが来てくれるとわかっただけで、とても安心したようでした。

 重いテーマですので、時々気分が悪くなって部屋を出ていく方もいましたが、そんな方も落ち着くとまた戻ってきて、みなさん真剣に学びを深めていました。

 午後の部は、重いテーマを扱いながらもまるでさちさんとさつきさんとの掛け合い漫才のように、面白く興味深く解離のことを学びました。さつきさんが、「さちさんが解離するとこうなっちゃう」ということを教えてくれるので、さちさんは自分に起きることを、さつきさんはそれを外から見るとこういうことが起きていて、そこにこう関わると症状が落ち着くなど具体的な話が聞けました。まさに解離について、うってつけの内容になったと思います。「災い転じて福となす」といったところです。

 思えば、千歳空港でさちさんが解離についての社会の無理解を嘆いていたのを聞いた私が、「現状を改革していく形」にしたいと思い、研修を企画したのが始まりでした。

 数年前にさちさんが解離性同一性障害であると公言したことによって、多くの「1人で苦しんでいた解離性同一性障害の人たち」がさちさんとつながりました。そのような意味では、さちさんはたぶん日本で一番解離性同一性障害の人とつながり、その声を聞いてきた人だろうと思います。

 さちさん自らが当事者であり、多くの当事者の声を聞いてきた人。そんなさちさんが、なぜ解離が起きるのか、当事者にどのようなことが起きているのか、何がどう辛いのかを伝えてくれます。その上で、さちさんが言うところの「左脳ちゃん」(この人格の貢献で、さちさんはアメリカで2つの大学院を出て博士号を取っています)が、必要以上に感情的にならずに論理的にそれを説明してくれます。当事者の状況や心情を明確に伝えた上で、必要な支援の仕方を的確に伝えてくれる。こんな研修はなかなかないと思います。今回の研修に参加できた人はラッキーだったと思います。
 
 さちさんが「統合失調症と間違われやすいが、実際には統合失調症と同程度の1%か、あるいはもっと多く解離性同一性障害の人がいる」と説明していました。今回の研修を企画実行するプロセスで解離の症状がある家族を抱えた方たちとの出会いもあり、私はそれが事実だと感じることが何度もありました。社会に受け皿ができていないから、表に現れることが無いだけなのだと思いました。
それは、社会に児童虐待に対する理解と受け皿ができてくるに従って、家庭の中の虐待が見えてきて少しずつ子どもたちを助けることができるようになってきたのと同じだと思います。

 そのような意味では、今回の研修を通じて受け皿が少しできてくると思うので、解離の症状を抱える人たちが少しは見えやすくなり支援につながりやすくなるかもしれません。

 また、今回の研修をきっかけに、来年には東京や大阪、福岡でも同様の研修が行われる予定だということです。

 形のないものを形にしていくプロセスは決してラクなことではありませんでしたが、「これを形にしたい」と願った私の思いに応えてくれたメンバーのおかげで、日本初の、当事者による本格的な「解離性同一性障害」の研修会を実施することができました。この意義は大きいと自負しています。

 小さな一歩に見えるこの大きな一歩が、解離性同一性障害を抱えた人やその家族の方などの苦しみを少しでも減らすことに貢献できることをうれしく思います。

 それぞれ仕事や活動を抱えながらも最大限の動きをしてくれた実行委員のメンバーに、リスペクトと感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、ご協力をいただいたみなさん、ありがとうございました。

 余談ですが・・・、
 去年、千歳空港でさちさんと解離のことを話していたときに、私は途中から何となく気分が悪くなりました。何かわからないモヤモヤを感じながら、さちさんと話していました。

 その時には気づきませんでしたが、日にちが経ってから「もしかすると別人格と話していたのかも・・・」と気づきました。私の気分の悪さやモヤモヤ感は、いつものさちさんとは違う、まるで子どもと話しているようだったことが原因でした。あのときのさちさんは、途中から5,6歳の女の子になっていました。

 不思議な初体験でした。

 今回さちさんが自分の中の複数の人格のことを話したときに、とても頭の良い「左脳ちゃん」や罪悪感いっぱいの「カテリーナさん」などと共に、「今話しているさちさん自身」と「6歳の女の子」の二人が主人格として居ると言っていました。「あの時の女の子だ」とわかりました。

 このようなことを書くと、「そんなことはウソだ」と思われる方もいると思います。20年くらい前までは「家族の中で子どもが虐待されるなんてあるわけがない」と言われていました。信じたくなくても、実際に起きていることは時間をかけて理解されていくのでしょう。

 思い込みによって事実を見る目を曇らせないようにしたいと、自戒をこめて書き添えておきます。