「痛みや苦しみからの解放」と同時に、もっと「人生を深める」ことに役立ちたい

掲載日:2017.01.10


 年明け初のコラムです。年末年始、どのように過ごされましたか?
私は、昨春、娘が足掛け2年半の世界一周の旅から帰ってきて、数年ぶりの親子一緒の年末年始でした。とは言っても、帰国後に大手航空会社の子会社でバイトをしている娘は、年末年始に関係なくシフト勤務なので、あまりお正月気分はありませんでした。それでもかろうじて31日と元旦はお休みを取り、プチお正月気分を味わったというところです。
 元旦には札幌に住む妹家族も来ました。妹の息子二人は本州の大学に行っているので、久しぶりに会う甥っ子たちの成長を感じました。娘と甥っ子のいとこ同士の会話は面白く、大人同士ではこうはいかないと若者の発想を楽しませてもらいました。
 こんなふうに久しぶりに会うことを楽しめるなら、お正月というキーワードもいいなと思いました。それでもやっぱり、そのキーワードで悲しい気持ちになる人や辛い思いをしている人がいないことにはしたくないと思っています。

 さて、昨年はコーチングやカウンセリング、セラピーを通して、新しい出会いもたくさんありました。その中で何人かは定期的にセッションを受けてくれるようになり、人によっては大きく人生を変え始めている人もいます。
 このご縁が無かったらこの人はあんな過酷な苦しみの中にとどまり続けていたのかもしれないと思うと、縁というものの妙を感じます。たった一つの出会いが、「苦しみにとどまり続ける」か「イキイキとした人生を歩み始める」かの分岐点になる。すごいことだなと感じます。
 しかもそれを言葉で話すだけで本人が自分で大切なことに気づいていく。このダイナミックさに改めて感動します。人は本当に自分の中にちゃんと大切なことを抱いていて、良い関わりさえあればそれを表に出すことができるということを実感します。今年もその「関わり」や「きっかけ」になれたらうれしいと思っています。
 同時に、もう何年も私のセッションを受け続けている人たちが、人としての器を大きくしていっていることにも感動した1年でした。何らかの悩みがあってセッションを受け始めた人たちが、今はこれと言った悩みはなくなったけれど、自分の気持ちを整理したりより深めたりということに使ってくれています。実は、私としてはそちらのほうが自分では本職と思っています。
 変更不可能と思われた悪しき職場の雰囲気を、その人の存在感で新たな価値観を生み出し、誰もが働きやすい職場に変えていった人もいました。または、自分の深いところからの願いに気づき、これまでとは全く違う人生をイキイキと歩み始めた人もいました。静かに自分を深く見つめる旅を続けている人もいます。
 「悩み解決」で終わってしまってはもったいない、といつも思っています。悩みから抜け出して、「自分は本当はどんな人なのか」「これからどんな生き方をしていきたいのか」「どんな自分で在りたいのか」と深めていく醍醐味を知らずに終わるなんてもったいないと感じています。
 今年は、そんな「人生を深める」ことや「より手ごたえのある生き方をする」ことに私のセッションを使ってくれる人が増えるとうれしいと思っています。
 もちろん、不必要な痛みや苦しみを手放していくお手伝いも、喜んでさせていただきます。
一人一人が幸せであることが、悲しいことが起こらない優しい社会をつくる一番の近道だと確信しています。