ハスカップの人生

掲載日:2022.07.06


我が家の庭には、ブルーベリーの木が2本とハスカップの木が5本あります。

ブルーベリーは、まだ実が淡い緑色で、これから熟していきます。
今はハスカップが最盛期です。

本州の人にはなじみが薄いかもしれませんが、
ハスカップは寒冷地に自生する背丈の低い木でブルーベリーのような実をつけます。
実の形は、丸いブルーベリーよりは楕円形をしています。

皮が柔らかく、とてもデリケートな実なので、
摘む時には優しくそっと触れる必要があります。

味は、ブルーベリーより酸っぱいです。
私は酸っぱいものはあまり得意ではありませんが、
ハスカップの酸っぱさは奥が深いというか、好きです。

ハスカップは低木で、大きく成長したものでも人の身長くらい、
我が家の木は若木を植えて20年経ちますが私の太ももくらいの高さです。

実のつき方は、ブルーベリーとハスカップではまるで違います。
ブルーベリーは、しっかりと実を空に向けるので見つけやすく摘みやすいです。

ハスカップは、たいてい葉っぱの陰に実をつけています。
小さな葉っぱの陰に隠すように可愛らしい実がついていて、
上からざっと見ると見落としてしまうことがしばしばです。

しかも低木なので、かがんで下から覗かなければなかなか見つけられません。
ハスカップ摘みをしている時はいつも、かくれんぼをしているような気分になります。
「こんなところに隠れていたのね」というような見つけづらいところに
ぷっくりとした小さな実を見つけた時にはちょっとした喜びがあります。

ハスカップの実を摘みながら、なぜかいつもクライアントさんのことを思います。
空に向かって「私を見て!」と実をつけているブルーベリーと比べ、
小さな葉の陰に身(実)を隠しているハスカップに愛おしさを感じます。

寒冷地の厳しい冬を耐え抜いて夏に実をつけるハスカップは、
ここまでの厳しい人生を生き抜いてきたクライアントさんの姿と重なります。

上から目線では気づくことは難しい、葉の陰にある「酸っぱい深みのある実」の存在は、
そのままクライアントさんの「酸っぱさを含む豊かで味わい深い人生」を思わせます。

「ハスカップの実は不老長寿をもたらす」とも言われています。
厳しさを耐え抜いてきたゆえの滋養はあるのだと感じます。

そこにもクライアントさんと共通するものがあるように感じるのは、
私の「クライアントさんびいき」のせいでしょうか。

でも確かに、厳しい環境の中をここまで生き抜いてきたクライアントさんたちは、
そうでない人たちには備わなかった「深く豊かなもの」をその内側に湛えているような気がしています。

セッションを受けて痛みを乗り越えたクライアントさんの
これからの「豊かで味わい深い人生」を私はいつも楽しみにしています。

この先の人生は、これまで通り葉の陰にそっと身を置く生き方も、
太陽に向かってその実の素晴らしさを表現していく生き方も、
一人一人がどのような生き方を選択したとしても、
クライアントさん自身の選択で納得した人生が展開していくことでしょう。

長生きしたいとは思っていませんが、
クライアントさんたちのこれからの人生を楽しみに感じています。