リハビリ体験から思うこと
掲載日:2024.05.21
「膝、腰、肩の痛み」って、アリナミンのCMじゃないけど、
今まで「肩」の痛みってピンときていませんでしたが、
今はその肩の痛みに悩まされています。
認めたくないけど、まさに「老化」真っただ中だなと実感せざるを得ません。
私の老化の話なんて、みなさんに興味はないと思いますが、
今回の経験でいろいろと思うところがあり、
以下のどこかの部分が誰かの何かに引っかかるかもしれないので書いてみます。
多くの人は無意識にではあっても、肩甲骨を動員して腕を動かしているようです。
私の肩の痛みの原因は、肩甲骨をあまり動かさずに腕を使っていたことにあるようです。
そのため腕を動かす時に肩がロックされ、それが繰り返されたために
肩関節に炎症が起きたらしいです。
理学療法士さんの指導の下、まずは肩甲骨周りを柔らかくする運動、
そして肩甲骨を使って腕を動かす練習をしてきました。
長年身についたやり方を変えるのはなかなか難しいです。
それでも理学療法士さんのおかげで、かなり改善してきました。
以前は前にあるものを取ろうとすると痛みがありましたが、
今は前方は問題なくなりました。
残りは横と後ろです。
あと一息というところです。
ところがここからがなかなか進まないため、
腱に損傷がないかMRI検査をすることになりました。
MRI検査ってしたことがありますか?
私は5,6年前に脳ドックでIMR検査を受けた経験があります。
ですから普通にレントゲン検査のような気軽な気分で受けました。
ところが今回は衝撃的でした。
以前の脳ドック検査の経験がイヤな記憶として残っていないのは、
きっとその時の担当者が衝撃を最小限にする配慮をしてくれたからだと
今は思います。
今回は、その衝撃を最小限にする配慮がなされなかったようです。
それは担当者のせいなのか病院のシステムのせいなのか
あるいは機械のせいなのかはわかりませんが、
とにかく今回の体験は私にとってある意味「トラウマ」になっています。
肩をロックされ、身体をベルトで固定され、ヘッドフォンを当てられ、
(この一連はMRI検査共通のことだと思いますが)
「15分程度かかります」と言われ、あのドームの中に送り込まれました。
そして、「衝撃」です。
これが検査でなければ「暴力」です。
頭では「これは検査だから」とわかっていても、
私の生存脳の部分は「攻撃されている」と認識し、
恐怖でいっぱいになりました。
「これは検査だから」「15分経てば終わるから」と私の認知脳が、
恐怖を感じてパニックになっている生存脳をなだめます。
縛られて身動きできない状態のまま、
暴力的・攻撃的(と感じられる)状態にさらされ続けます。
まさに「逃げることも戦うこともできない」状態に置かれます。
しばらくすると「どうあがいてもムリ…」の境地になり、
「あきらめる」「自分を投げ出す」そんな感覚になっていきます。
恐怖に何とか耐えながら、ふと
「クライアントさんたちもこんなふうに無力感に襲われてきたんだろうな」と
そんなことを思いました。
親に罵倒されてもどんな目に遭っても「逃げることも戦うこともできず」
「無力感にさいなまれ」「その状況を受け入れていく」しかなかった。
私は「15分で終わる」とわかっていたから、
それを支えに耐えられたけれど、
クライアントさんたちは子どもの頃、
逃げ場もなく、いつまで続くかもわからない
そんな状況の中で10年も20年も耐えていたのですね。
それはトラウマになるよね。
改めてクライアントさんたちに刻み込まれているトラウマを思いました。
実は今回、市の広報に「脳ドック」の案内が載っていて、
私は受けるつもりでいました。
でも、今回の体験があって、私は申し込むのをやめました。
とてもじゃないけど、あんな恐怖をもう一度体験したいとは思わない。
「たかが検査でトラウマなんて大げさな」と思うかもしれませんが、
実は医療的な出来事がトラウマになっていることってけっこうあるんです。
あなどれないものなんですよ。
以上が私のMRI検査の経験談でした。
ついでにもう一つ、整形外科病院で起きていることを記述します。
私は週一でリハビリに通っています。
例えば予約が15時だとすると、14時半には受付を済ませなければなりません。
なぜかというと、リハビリの前に一度受診をしなければならないからです。
これが本当の受診ならいいのですが、
実際は本当に受診する人たちと同じように受診の窓口に並び、
数人いる医者のどこかのブースから呼び出されるのを待ち、
私を担当したこともない医者から
「はい、浜田さんリハビリ頑張ってください」と言われるだけです。
その儀式(?)を通過しないとリハビリに行けないシステムになっています。
そのことについて理学療法士さんに尋ねると、申し訳なさそうに
「以前は受付をしたらまっすぐにリハビリに来てもらえたのですが、
数年前に制度が変わり、一度お医者さんを通すことになったんです」と言うのです。
その制度変更で、患者は予約より30分早く来て、
無意味な待ち時間を過ごし無意味な受診(?)を通過しなければなりません。
そして、診療明細書を確認してみると、
「再診料」として73点とあります。
医者が「はい、浜田さん、リハビリ頑張ってください」というだけで、
毎回730円病院に利益があるということです。
「5秒の声掛けで730円」って、すごくないですか?
時給にしたらいくらでしょう?
これが、以前は無かった制度変更です。
この改悪制度によって、患者は30分余計に無駄な時間を使い、
しかもそのために毎回730円(患者負担は1割や3割ですが)
払うことになったということです。
この5秒システムで、病院には一か月でいくら利益が上がるのでしょうか。
私が通っている病院は、少なくとも毎日100人はリハビリに来ていると思います。
病院にしてみると美味しい話ですよね。
日本医師会が自民党にどれほど多額の献金をしても
こんなふうにたっぷりと元が取れるように制度を変えてもらえるなら、
やめられませんよね。
そして知らないうちに割を食っているのは国民という訳です。
今回私が気づいたことは氷山の一角に過ぎず、
こんなことが私たちの知らないところでたくさん起きているのだと思うと
暗澹たる気持ちになります。
自民党が野党にどんなに迫られても企業団体献金をやめようとせず、
政治資金パーティーをやめようとせず、
パーティー券購入者を公開する基準の引き下げを渋るのは、
自民党にも企業や団体にもこんなに美味しいことがあるということを
隠したいからだと改めてわかりますね。
病院経営は大変とも聞きます。
ならば、こんなモヤっとしたおかしな利益の上げ方ではなく、
本当に必要なところには国民が納得するようなやり方で
堂々とお金を回すシステムになればいいと思います。
日本はもう、そんなまっとうな制度には戻れないのでしょうか。