身体版PTG?
掲載日:2024.02.27
我が家から徒歩10分のところに整形外科病院があります。
腰や膝など分野別のエキスパート医師が何人もいて、
北海道各地から患者さんが来ます。
遠くから来る患者と家族のために隣にホテルまでできました。
昔は混んでいてもその日のうちには診察してもらえましたが、
今では完全予約制で、医師によっては数か月待ちです。
私にとっては近くて遠い病院です。
肋骨にヒビが入った時、徒歩10分のその病院にはかかれず、
車で10分の別の整形外科クリニックに行きました。
行って驚いたのは、待合室にお年寄りがあふれていたことでした。
「うわっ、高齢者ばっかり」と思った瞬間
「あら、私もまぎれもなくこのお仲間なんだわ」と気づき苦笑しました。
普段、自分が高齢者だとはあまり自覚していません。
意識的に「高齢者だ」と戒めているのは、車の運転をする時だけです。
この時だけは「自分が思っているより能力が低下している可能性がある」と
十分に気をつけて運転しています。
運転以外は「高齢者」としての自覚はあまりありません。
しかしいくら自覚が足りなくても「もう高齢者なんだ」と実感させられるのが、
去年の秋から次々と現れている身体の不具合です。
秋にぎっくり腰になり、腰をかばって生活していて肋骨にヒビが入り、
そしてその肋骨をかばって腕だけで家事などをやっていたところ、
なんと今度は肩が痛くなりました。
肋骨が治らないうちに、肩まで痛めてしまいました。
一難去ってまた一難どころか、一難去らないうちにまた一難です。
肋骨をかばいながら、痛い腕で家事をこなしていました。
肋骨の時に行った「車で10分のクリニック」では、
大量の湿布薬と痛み止めを処方されました。
その時の私には湿布薬も痛み止めも必要なかったので、
すぐに気づけば「要りません」と言えたのに、
気づかず処方されるままに受け取ったことが悔やまれてなりません。
結局、湿布薬も痛み止めも一度も使いませんでした。
しかも大量なので「国の医療費を無駄に使わせてしまった」と
処方した医者とその時に気づかなかった自分に少し腹がたっています。
そのクリニックの医師は、そんな感じで安易に大量の薬を出す上に
やる気も感じられない医者だったので、もう行く気がしません。
肩の痛みに関しては、数か月後であっても
徒歩10分の専門医のいる病院にかかろうと予約電話を入れたところ
「1か月後の1枠だけ空いている先生がいる」とのことでした。
速攻それを予約して1か月待ち、めでたく先日受診してきました。
肋骨は治った感がありましたがその部分に違和感があるので、
ついでに肋骨も診てもらいました。
レントゲンで見ると肋骨は完治していて、
「『違和感』は、動かさなかったために筋肉が固まっているせいでしょう」とのことでした。
肩も、レントゲンで見る限り骨に異常もなく石灰化もしていないので、
「肋骨をかばって生活をしていたためにムリがかかったのでしょう」とのことでした。
「ヒアルロン酸注射でもしておきましょうか」と言う医師に、
「薬より、できればリハビリで治したいです」と言うと、
「おお、それはいいですね」と快諾してくれて、
すぐにリハビリの手配をしてくれました。
何十人も理学療法士や作業療法士がいるリハビリセンターに移動し、
私の担当となる理学療法士さんとリハビリの打ち合わせです。
肩の痛みの原因を詳しく説明してもらい、
「ついでに肋骨周りの固まった筋肉もほぐしていきましょう」ということで、
まずは手始めのストレッチから始まりました。
家でやるメニューをプリントアウトしてもらいました。
根がマジメな私は毎日しっかりとやっています。
(時々忘れますが…)
「転んでもただで起きたくない私」は、
これを機会に、今後「できるだけ怪我をしない=今より健康的な身体」になるために
理学療法士さんからいろいろ教えてもらおうと思っています。
身体版「PTG」というところです。
「PTG」はあまりなじみがないかもしれませんが、
「PTSD」は聞いたことがありますよね。
PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)のことです。
命の危険を感じたり、自分ではどうしようもない圧倒的な強い力や困難に直面し、
強い恐怖感や無力感を伴う体験をした人に起きやすいストレス性の症状です。
一方で、PTGとはPosttraumatic Growth(心的外傷後成長)と呼ばれるものです。
簡単に説明すると、「トラウマティック」な出来事、
すなわち心的外傷をもたらすような非常につらく苦しい体験をした人が、
そのことをきっかけとして人間的に成長するということです。
これは私がいつもクライアントさんたちに願っていることです。
そして実際に多くのクライアントさんたちにPTGが起きています。
あきらめずに自分と向き合ったクライアントさんは
辛かった体験を糧に確実に人間的に成長します。
クライアントさんの強さと賢明さをリスペクトすると同時に
人間の素晴らしさを目撃させていただくことへの感謝の念をいつも抱きます。
そんなクライアントさんたちとは比べようもありませんが、
私もこの半年近くの身体的困難(?)の後は、
身体的成長(背が伸びることではありませんよ)を遂げたいと願っています。
クライアントさんたちが過去の困難と向き合い、その先に人間的な成長があるように、
(並列にするには申し訳ない気持ちではありますが)
私は日々ストレッチと筋トレで、この先の健康を目指します。