精神的細胞膜

掲載日:2024.03.12


生物学に詳しいわけではありませんが、
私たちの細胞の重要な働きの一つとして、
自分にとって良いものは取り入れ、
害になるものは入れないという役割があると思います。

一つ一つの細胞は薄い膜を持っていて、
内と外を区別しています。

その細胞膜が正常に機能していれば、
酸素や栄養など体に必要なものは取り入れ、
ウィルスや細菌などは入れないように働き、
基本的に健康に生きていける仕組みになっているのでしょう。

これは精神面にも当てはまると思います。

細胞膜のように「自分自身」と「自分の外側」を区別する目に見えない膜が、
自分に「必要なもの」と「不必要なもの・害になるもの」を区別して
取り入れたり入れなかったりする。

この精神的細胞膜(私はセッションで「境界線」という言い方をします)が、
私のクライアントさんは正常に機能していない人が多いと感じます。

その理由は、子ども時代に精神的細胞膜(境界線)を親に侵害されてきたからです。

優しさや穏やかさ、親密さ、安心や安全な感覚など
心の成長にとって必要なものは与えられることが少なく、
逆に叱責や罵倒、否定、不機嫌や無視など、
子どもの心に害になるものを投げつけられ
精神的細胞膜を破られてきたからだと思います。

クライアントさんたちは、精神的細胞膜がズタズタであることが多いです。
何を取り入れて何を排除するのかの混乱が起きています。

ですから、他者からの「否定的な言葉や態度」「支配」はすんなり受け入れ、
逆に自分にとって良きものは受け取りづらく、
自分自身を肯定することは非常に難しい。

私のセッションは、この精神的細胞膜を修繕しているとも言えます。

要らないものを無自覚に取り入れていることに気づくこと。
この中には、自分の大事な物を言われるがままに差し出してしまうことも入ります。

例えば「ノー」と言えずに長時間働き続けることや、
安易にセックスに応じてしまうこと、
大人になっても親からの理不尽な要求に応じてしまうことなど。

逆に、あなたの働きや価値、存在を認めてくれる言葉は
なかなか受け取れなかったりしますよね。

心の底では「自分を見てほしい」「自分の価値を認めてほしい」と強く思っているけれど、
いざそうされると素直に受け取ることができない。

「自分にとって必要なものを押し返して受け取らないようにしている」ことに気づくことが必要です。

そんな自分の状態に気づくことから、精神的細胞膜(境界線)の修繕が始まります。

「ノー」を言うことは悪いことではありません。
子どもの頃から「ノー」を言うことが許されなかったために、
それに慣れていないだけです。

少しずつ修繕が進んでいくと、
「イヤだ」「しんどい」と感じる相手からの要求に
「ノー」を言えるようになってきます。

気が進まないことには「ノー」を言うことに、少しずつ慣れていきましょうね。

同時に、「欲しいもの」は「欲しい」と言ってみましょう。
「こうしてほしい」や「これが好き」も含めて。

例えば、「ここは手伝ってほしい」
「何時から何時までは一人の時間を持ちたい」
「本当は〇色が好き」などなど。

まずは自分の中で気づいてみましょう。

本当はどんなことに我慢をしているのか。
何に、どんなことに、本当は「ノー」を言いたいですか?
あなたの精神的細胞膜は、どこが破れているでしょう?

そして、今あなたは何がほしいですか?
どんなことをしてほしいですか?
どんなことをしたいですか?
自分の内側に取り入れたいことは何でしょう?

気づいたら、一歩を踏み出してみましょう。
小さくていいので、声にしたり行動したりするところから始めてみませんか。

精神的細胞膜が修繕されて正しく機能するようになると、
とても生きやすくなるし自分の人生が好きになると思います。