『そうだ!ゆかさん、体験談を書いてくれない?』
掲載日:2025.09.09
私のコラム史上はじめての実名コラムです。
本人に「このまま名前を出してもいいの?」と聞くと、
「いいです」との答えだったので、そのまま掲載します。
(本当は名前は漢字なんですけどね。)
この表題の通りに私はゆかさんに体験談をお願いして、
ゆかさんは少し躊躇しながらも引き受けてくれました。
ゆかさんらしい温かみのある、ちょっと弾んだ感じの文章が後日送られてきました。
私は、「これを体験談にすっと載せておくだけではもったいないな」と思い、
「みんなにも読んでもらいたいから、コラムに載せてもいい?」と聞いてみました。
ゆかさんは「コラムに載せるなんて、そんな…」と、ちょっと慌てた感じでしたが、
私の圧に負けて(笑)、掲載を承諾してくれました。
先日の、パソコンサポートをしてくれたNさんが「サバサバ安定感抜群天使」だとすると、
ゆかさんは周りの人たちをその笑顔で幸せにする「プチ太陽天使」と言えるなぁと感じています。
天使にも個性がありますね (*^_^*)
以下、ゆかさんが書いてくれた体験談です。
(原文のまま)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『そうだ!ゆかさん、体験談を書いてくれない?』
その日も良い感じでセッションが終わりに近づいた時、紀代子さんにそんな風に声をかけられました。
『え?私が体験談?う~ん、文章を書くことは好きだけれど…私なんかで良いのかな?』
そういえば、いつから紀代子さんにお世話になり始めたんだっけ?
ほとんどメモもせず紀代子さんに話しを聴いてもらいながら夢中で取り組んできたセッションは、
数えてみるといつしか20回を超えていました。
『親からの影響で苦しんで、なかなか抜け出せない人はたくさんいるの。
そういう人にとって、体験者からの言葉はほんとに励みになるものなのよ』
いつも説得力のある紀代子さんの後押しに、
私は自分のこれまでの振り返りを言葉にしてみることにしました。
最初はトライアルで、電話でのカウンセリングを受けたところから始まりました。
当時は母が亡くなってすでに1年と8か月が経っていましたが、
私は依然として母からの束縛を感じ苦しくて仕方なく、また、
亡くなってもなお母のことを好きになれない自分への強い罪悪感に苦しんでいました。
自身でそこから抜け出せないかと色々試みてはみたもののなかなかうまくはいかず、
でもこんな状態のままこの先も人生が続いていくなんて絶対に嫌だと強く思い、
カウンセリングを受けてみようと思い立ちました。
さっそくネットなどで情報を探し、女性の課題解決に特化した電話カウンセリングサービスの中からカウンセラーさんを選んでお願いしてみることにしました。
私が希望したカウンセラーさん、それが紀代子さんでした。母娘関係を得意テーマとされている何名かのカウンセラーさんの中から直感で決めたのですが、今思うと自分の直感はするどかったようで、とても信頼でき、自分の苦しみを解決していくためにほんとに頼りになる方と最初から出会うことができたのは自分にとって幸運でした。
こうして、スマホで相手の顔を見ながら、45分間のセッションを受けるカウンセリングが始まりました。
紀代子さんのセッションでは、まずはこちらの話をじっくり聴いてくださいます。
上手にまとめて話さなきゃ・・・と緊張するところですが、最初の約束事で
「正直に話したいことを話す」「人にどう思われるかは気にしない」「自分に優しくする時間」
などの提案があり、それでちょっと励まされながら、
今の自分の心の中の思いを打ち明けていきました。
物心ついたころから、悩みといえばほとんど家族関係のこと、特に母親との関係で苦しんできて、母が亡くなってもなお束縛されているような感覚に苦しんでいること。
また、当時は存命中だった父(昨年12月に亡くなりました)とのかかわり方や、独特な性格の夫(のちにアスペルガー疑いの診断)と一緒に生活をしていくことにも限界を感じ始めていること。
それらの私の苦しみについて、紀代子さんはテレビ電話で私の様子を実に丁寧に観察してくださりながら課題を見つけ出して、その解決に向けての的確な提案をしてくださったり、私が話ができるような助け舟を出してくださったり・・という感じでセッションが進んでいきました。
あるセッションでは、私には子供時代に両親以外に支えてくれる人がいた・・・ということがわかりました。
そのことは私にとても自信を与えてくれました。
またあるセッションでは、今の自分の胸の中にあるのは怒りの感情なのだと気づきます。
それに対して紀代子さんは、大切なのはその怒りをちゃんと感じることだと説いてくれました。
表には示さなくてよい、なくそうと思わない、ただ気づいてあげればよい・・・
そして、自分の中の感情を感じる作業を、繰り返しさせてくれました。
時にそれはつらい作業となり、涙が流れることもありました。
そういえば、初めてのセッションを受ける前に、
飲み物とティッシュを用意してねと言われ「ティッシュ?」と不思議に思ったのですが、
これは、セッションを進めていくと泣いてしまう時がある・・・
その時のためのティッシュペーパーだったのかと納得したのは笑い話です。
セラピーを受けるようになってから半年ほどたったある日、父が突然、亡くなりました。
サービス付きの高齢者住宅に入居し1か月、前夜もいつもと変わらず床に就き、
夜中に呼吸のない状態で発見され、連絡を受けて駆け付けましたが、
最後には間に合いませんでした。
死後の様々な手続きや整理に追われ、しばらくはセッションをお休みせざるを得ませんでした。
でも、父のことは人間性に疑問を感じるところはあるものの、憎めない父親として愛情を感じ、
その死を悼むことができ、特に問題になることも起きず、母からの影響もあまり感じることなく、
セッションを再開することになった時は、なんだかそろそろこのセッションも卒業できるんじゃないだろうか・・・と考えていました。
でも、今思うと、あの期間は、父の死を悼むことができた自分にほっとしていたのと、
父の死後のあわただしさで気が張っていたのかもしれません。
もう卒業という考えは甘かったと、のちほど気づくことになります。
というのは、その後ほどなくして、私は「自分だけが幸せでいていいのだろうか?」という罪悪感に苦しむようになったのです。
幸せな自分の向こう岸にいるのは、昨今の戦争や自然災害や社会での不平等などでつらい思いをしている人々。
苦しんでいる人々がたくさんいるのに、私だけ幸せになろうとしてもいいの?
その答えが見当たらず途方にくれました。
そこでまた、紀代子さんのセラピーです。
話をし、問いかけへの答えを考えたり、提案を実行したり・・・
対話を重ねていくと、ハッとする気づきに行きつきます。
あなたは頑張っていなきゃいけない、自分だけいい思いをするなんてとんでもない、
自己犠牲は美しいもの、、、
母から教えこまれたそんな考え方が、自分の心をがんじがらめにしていたのでした。
気づくことができれば、こころはかなり明るくなれます。
今は、「自分にできること、できる形で、周りの人たちをしあわせにすることができたら、それが自分のしあわせ。
自分が楽しくて、笑顔でいることは、周りの人々を幸せにしている。」と思うことができています。
今までの経験からすると、私の中にはまだまだクリアされなければならない課題はあると思いますが、
紀代子さんのセッションを受けるようになる前の得体の知れない苦しさはなくなりました。
セッションを道しるべに、豊かな気持ちで人生を送り、周りの人たちをしあわせにし、自分もしあわせにされながら、これからも一歩一歩進んでいきたいです。