いつもと違うところに

掲載日:2016.02.12


 2月に入って、私としては少々苦手なことにチャレンジしています。苦手なこととは、「自分のために人にお願いをすること」です。人のためにならいくらでもお願いできるのですが、「自分のために」お願いするのは苦手です。きっと、このコラムを読んでくれている人も似たような人が少なくないんじゃないかな、なんて思っています。でもね、「他人のためにならできるのに、自分のためには躊躇する」って、「それって『他人は大事にするけど自分のことはあまり大事にしない』ってことじゃない?」って自分に突っ込みを入れたくもなったんです。「これをしたい」から「こうしてほしい」と思う自分のことも、他人を思うくらい大事にしたいなと今回は思いました。
 そんなわけで、最初はドギマギしながら数人にお願いしました。お願いしてみると、面白いことに気づきました。お願いすると当然ながら、受け入れてもらえることもあるし、断られることもあるわけですよ。断るにしても、その人らしさが出るというか、みんな少しずつ違うんです。その人の性格が出るんですね。その違いが「面白いな~」と思いました。受け入れてくれる場合も、これまたその人によってさまざまでした。「いいですよ!」って気軽に引き受けてくれて、おまけに知り合いにまでその輪を広げてくれる人あり、「いいですよ」と言ったきりその後何の動きもない人もあり、様子見をしているような人もあり・・・。ここにも性格が表れているな~。 そして10年くらいご無沙汰の方にもダメ元でお願いしてみたら、「紀代子さんのためなら、そんなことお安い御用!」と言って快諾してくれた上に、更にどんなふうにしたらより私のためになるかを考えてくれた人もいました。他にもそんな人が何人もいて、それにはちょっと感激しました。私としてはプチ勇気を出してチャレンジして「お願い」したことが、旧交を温められてこんな感激を味わえその方との絆を強めるきっかけとなるなんて。慣れない「自分のために」を頑張ってみた私に、神様から思いがけないプレゼントをもらったような気分でした。
 そして、そのお願いの結果、今のところ協力してくれた人たちにとても喜んでもらえることになっています。私自身も、私に協力してくれた人たちにこんなにお役に立てるとは正直そこまでは予想していなかったので、それはうれしい誤算でした。
 そんなこんなで私のプチチャレンジは、今月いっぱいは続きます。やってみて、プチでもチャレンジはいいものだなと感じています。今までと同じところにいれば楽ちんで安心で安全です。一歩踏み出すと、ちょっと居心地が悪くて逃げ帰りたい気分になることもあります。でも、踏み出したことで味わえる体験や気づき、そして新たに繋ぎ合える手が増えました。結果はどうなるかわかりませんが、このプロセス自体がすでに私にとって良い体験でした。できれば協力してくれた人たちに良い報告とお礼を伝えられるような結果になれば一番ですが、自分ではやるだけやってあとは宇宙にゆだねます。
 今月は、苦手なことや馴染みのないこと、イマイチ興味がなかったことにも、「やってみない?」と差し伸べられた手は振り払わずにその手を取ってみようと思っています。
 先日、台湾に旅行に行った友人が私のために買ってきてくれたという品物は、縁結びのお守り。日本からのツアーもあるほどの有名な縁結びの廟のお守りだそうです。彼女曰く、私は地位や名誉やお金というようなものは突き抜けてしまっていて、足りないのは『男』だけだそうです。まあ、事実そのどれも持っていませんが、あってもなくても全く気にならないですね。(いいえ、お金はもう少しあるといいですね。)『縁結びのお守り』と聞いた時には「そんなの要らな~い」と瞬間的に思いました。でもすぐに、せっかく私のために買ってきてくれたお土産を「心から感謝して受け取ろう」と思い直しました。
 確かに恋愛への興味は、人の人生をサポートするという仕事や活動、その他のことに比べるとかなり順位は低いです。でも、『五代ロス』とまではいかなくても、五代さんがあさちゃんにすがって泣いた姿にはキュンキュンした私ですから(「なんのこっちゃ?」と思われた方、これは朝ドラの話です)、完全に恋心が喪失しているわけではないと思います。友人が私のことをけっこうまじめに考えて手に入れてくれたこのお守りが私にどんな変化をもたらしてくれるか、ワクワクしながら今後を楽しみにしていましょう♪
 『いつもと違う私』も、たまには試してみるのもいいかもしれませんよ。(^-^)