ステキな仲間とプロセス

掲載日:2016.02.27


 今、ある研修講座を企画しています。東京から講師に来てもらいます。その企画をやりたくて札幌に住む知り合いに声をかけたところ、彼女の知り合いを含め数人が手をあげてくれました。まだ誰もやったことがないことを何もないところから形にしていこうとすることはかなり困難が予想され、従って「出来上がったら参加したいけど、企画からの参加は見送りたい」という人がほとんどでした。そんな大変さが予想される中で手をあげてくれた人たちがいたことに感謝です。しかも私の知り合い以外の人たちと私は初対面でした。それでも私と会って話を聞いてくれて、私の思いに共感してくれた人たち。この人たちと企画&実現していくこのプロセス自体が、とても良い時間になるだろうことが予想されます。
 実はこの企画は昨年の夏、私が薬疹と癌で入院する前に動き始めるはずでした。第一回目の顔合わせが私の入院のため延期になっていました。退院後の10月に仕切り直しで『顔合わせ兼打ち合わせ』をし、その後何度か札幌で打ち合わせをしています。参加してくれた人たちの背景は様々です。沖縄出身であることに静かな誇りを抱き、北海道で暮らす人。自らも当事者としてLGBT(性的少数者)の人たちの支援をしている人。ある状況の被害者であった人。NPOで活動する人等々。そんな人たちが私も含め6人、手弁当で貴重な時間を調整して集まります。細かいことには触れはしませんが、それぞれが決して小さくはない痛みを体験し乗り越えてきた人たちであることを、その強い優しさを通して感じます。
 毎回の打ち合わせの時間、私は感動します。ここに本当の民主主義があることを感じます。お互いに尊重しあいながらも率直に自分の意見を言い合います。考えや意見の違いは当然あります。でもメンバーはみんな何が大事かを知っているので、些末な事にはとらわれず大事な方向に常に話を持っていきます。これを全員がとても自然な形で行っています。女性ばかりの集まりって、くだらないことに捉われて感情的になったり面倒くさいことが起きがち、というのが私の印象ですが、このメンバーにはそういうことが起きません。みんな今何をすべきかを知っていてそのことだけにエネルギーを注ぎます。
 何か課題が見つかると、それをどう解決するか全員で真剣に考え意見交換をして可能な道を探ります。自分が少しでもできそうなことがあれば、「私がそれをやります」と自然に手が上がります。それぞれがやっと確保し調整して集まった時間ですから、1分たりとも無駄にはせずに必要な事柄をどんどん決めていきます。はじめはどこからどう手を付けて行けばいいのかもわからないようなことが、いつの間にか目に見える形になっていきます。まさに『無から有を創り出すプロセス』です。大変だけど、こんなに楽しいことは久しぶりです。
 『暖かくて強い思い』があって、だからこそ発揮されるそれぞれの素晴らしさ。2時間があっという間に過ぎます。たぶん、普通の会社の会議の10倍くらい内容のある会議を毎回行っていると思います。気持ちのいい人たちと気持ちの良い濃密な時間を共有します。
 「この社会が少しでも良くなっていってくれたら」と願い、そう思った自分ができることからやっていこうと今回この一歩を踏み出しました。そこから何がどんなふうに始まるのかあるいは始めることができないのか、真っ暗闇に一人で一歩を踏み出すようなスタートでしたが、こんな素晴らしい仲間ができるとは! 勇気を出して一歩を踏み出した私へ、神さまがこんなステキな仲間とプロセスをプレゼントしてくださったんだな、と感じています。 この企画の実現までにはまだまだ困難が予想されますが、私はこの新しいメンバーとの出会いと共に過ごす時間・プロセスをとても楽しみにしています。まだまだ険しい道が続くことでしょうが、頑張っていこうと思います。