壊れた心は、人間関係で修復する

掲載日:2019.08.06


毎日暑いですね。
「暑さに負けてたまるか!」と、唯一の(?)得意料理のラタトゥイユを鍋一杯に作り、
冷蔵庫にストックして毎日モリモリ夏野菜(+タンパク質)を摂取していますが、
弱まる気配のないこの猛烈な暑さに、さすがの私もちょっとバテ気味です。

これまで「北海道にクーラー」なんて考えられませんでした。
数年前に娘が帰ってくるまで、我が家には扇風機もありませんでした。
夏と言っても、窓を開ければ気持ちの良い風が入ってきました。

ところが2年ほど前から、(娘の)扇風機を使わないと「しんどい」と感じる日が数日出現しました。
去年は「エアコンが必要か?!」と感じるほど暑い日々を体験しました。
そして今年は、「来年は(猫たちのためにも)絶対にエアコン付けるぞ!」と思うまでになりました。
(今年は、完全に出遅れて取り付け工事が間に合いません。)

そんな日々の中、最近はありがたいことに相談の依頼が増えています。
寝苦しくて浅い睡眠の毎日を送っているうえに、
あまりに急激にセッション希望が増え、頭と心と体がフル回転状態です。

外気も熱いのに、内側からも発熱していて、「熱まみれの私」状態です。

とは言え、どんなに環境や自分自身が「暑すぎ」だとしても、
ご予約いただく1つ1つのセッション、一人ひとりのクライアントさんには、
冷静に誠実に愛を持って向き合っていく姿勢は変えたくありません。

私のセッションを希望する方たちの最近の割合は、
「母親に苦しむ娘」の方たちが4割、
「上司や同僚に恵まれているとは言えない中でも、自分らしく良い仕事をしていきたい」という方たちが2割
「精神科や心療内科で「うつ状態」あるいは「うつ病」と診断され、薬を処方されている」という方たちが2割、
「その他(定期的な心のお掃除、余命宣告を受けての心の整理、やりたいことの実現など」)の方が2割、
という感じです。

最近特にセッション希望が増えているのが、「母に苦しむ娘」の方たちと、
「うつ病・うつ状態」の方たちからのご依頼です。

当然ながら、私は医師ではありませんので治療はできません。
しかし、これまでも「病院でうつ病と診断され、長期間薬を服用しているが良くならない」
あるいは「診断され薬も処方されたが、対応が事務的で、それで治る気がしない」
などといったことで苦しんでいる方たちとご縁がつながり、関わらせていただいてきました。

私は、「人との関係で壊れた心は、人との関係で修復できる」と信じています。
そして、「うつ病・うつ状態」というのは、事件・事故や災害を除けば
その根本には例外なく「人間関係」があり、
それが原因で、「一時、心が疲れたり壊れた状態」だと思っています。

ですから、「治療」というよりは、「人と人との誠実な関係」によって回復できると信じています。
これは、「医療は必要ない」と言っているのではありません。
時には「睡眠導入剤」や「安定剤」が、とても助けになることもあります。

ですから私は、単純に薬を否定するわけでもなく、
その方の状況に合わせて「安心して眠るために、少しの間「眠剤」の力を借りてもいいのでは?」
などとお話することもあります。

医療者としての行為はできませんが、
その方が不安に感じていることに寄り添っていった時に
薬の使い方も一緒に考えていくことはできると思います。

本当は、医療者が事務的に薬を出すだけではなく、
患者さんに寄り添って不安な気持ちに耳を傾けながら、
服用についても相談に乗ってくれたら一番いいのにと思うことはよくあります。

そして、薬はあくまで対処療法であるとも私は思っているので、
一時的には薬の力を借りることはあったとしても、
私の本来の仕事は、その方の心の深いところを一緒に見つめていくことだと思っています。

「医療」でできることもあるし、そして、
「医療」ではできなくても、「人と人」としてできることはあると思っています。

私が確信を持ってこう言えるのは、これまでご縁をいただいたそのような方たちがみなさん、
元気になられて、以前以上に「自分らしくはつらつと」人生を歩み始めているからです。

数年前まで自宅に引きこもっていたり、何度も死のうとして身内を心配させた人とは思えないほど、
今ははつらつと、あるいは穏やかに自分らしく毎日を過ごしています。
それは、不自然な元気さや快活さではなく、内側からの自然なエネルギーの発露のようです。

周りの人間関係を見直して、自分に心地よい人たちと付き合うようになった人たちもいます。
中には転職した人もいますし、同じ職場でも働き方を変えた人もいます。
みなさん「うつ」をきっかけに、これまでの自分の生き方を見直し、
本当の自分らしい生き方を見つけて歩み始めました。

ご縁をいただいて、関わらせていただいて、
その方の人生がそのように変わっていくプロセスをご一緒できることは、
この仕事ならではの喜びであり幸せと感じています。

それは、「うつに苦しむ人」ばかりでなく、
「母に苦しむ娘」の方をはじめ、私のセッションを受ける人たちに共通したことです。

一人ひとりの方が、生き方を変え、ご自分の人生に納得して生きていくことに
多少なりとも関われるこのご縁に感謝しています。

そして、そのように苦しみ、どうしていいか途方に暮れている方たちとご縁をつないでくださった
私の元クライアントさんやその関係者のみなさんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、ご縁がつながった方たちに心を込めて誠実に関わらせていただきます。
そのためにも、私はこの暑さに負けてはいられません。
「私が健康で元気でいること」も私の大事な仕事です。

2匹の猫たちは、暑さのせいで食欲がありません。
あまり食べていないのに、吐いています。
家のあちこちに吐かれた2匹の猫たちの「吐しゃ物」を始末しながら、
「今年を何とか乗り切ってね!」「来年はエアコンを付けるからね」と心の中で思いながら、
自分はモリモリと食べている私です。