夜の読書会

掲載日:2023.08.29


前回、「体調を崩しました」と書きました。
ご心配をおかけした方たち、心配かけてごめんなさい。
そして、お気遣いありがとうございました。
おかげさまで、もうすっかり元気になりました。

東京に住む娘から「美味しいトウモロコシが食べたい!」という要望があり、
農家から朝採りの物を娘に送るついでに自分の分も買いましたが、
それがめっちゃ美味しくて一度に二本も食べてしまいました。

これが子どもだったら「一本にしておきなさい」と制限されそうですが、
大人なので「大人買い」ならぬ「大人食い」をすることができました(笑)。

この年齢でトウモロコシを一度に二本食べても大丈夫なくらい
お腹も元気になりましたという報告です。

余談ですが、トウモロコシって日本全国(?)にあると思いますが、
北海道産のものは味が全然違うそうです。

本州に住む友だちが北海道に来てトウモロコシを食べて
「別物だ!」と驚いていました。
「トウモロコシは好きでも嫌いでもないと思っていたけれど、
北海道のトウモロコシは大好き!」と言っていました。

北海道民にとってはこの味が当たり前ですが、
実はとてもありがたいことなのかもしれませんね。

話は戻りますが、体調を崩した原因はやはり暑さと疲れのせいだったと思います。
庭の小さな畑ですが、作物がものすごい勢いで成長して、
毎日収穫しないととんでもないことになりました。

一日サボるとキュウリはズッキーニのようになってしまうし、
ミニトマトは割れてしまいます。
「キュウリとミニトマトに追いかけられる夢」まで見ました(笑)。

葉っぱの陰で見落として4日くらいたって発見したキュウリは
直径10センチ、長さ60センチを超える物体になっていました!

気温が上がらないうちにとは思いながらも早朝に水やりや収穫作業をやりそびれると、
セッションとセッションの合間に暑い中ですることになります。
収穫物の消費に協力してもらうためにご近所さんや友達に配ったり、
下処理をして冷凍したりという作業もけっこう大変でした。
そんな疲れもあったかもしれません。

そして前回、
「ほんの少し負荷のかかる事柄(以前なら難なくクリアできたレベルのこと)が
3つほど重なったのでキャパオーバーになったことも原因の一つだと思います」
と書きましたが、そのうちの一つが夜の読書会でした。

私は基本的に夜は副交感神経優位の生活を心がけているので、
スマホはもちろんパソコンも開かないしセッションもしません。
夕食後はリラックスして過ごします。

ところが、今回参加の読書会は、その夜のリラックス時間、
「そろそろお風呂に入ろうかな」という時刻から開始になります。

読書会のお誘いをいただいた時には当然参加を迷いました。
夜にパソコンを開いて「指定本について深め合う」ということは、
交感神経の活性化を伴います。

それでも参加を決めたのは、その本を読みたかったからです。
『ポリヴェーガル理論・臨床応用大全』 4620円
本文だけで549ページの厚い本です。

出版されたことは知っていて、読みたいとも思いましたが、
読み切れる自信がありませんでした。
また買うだけで本棚に並んで終わりになるのが目に見えていました。

私があきらめていたその本をみんなで読んでいこうというお誘いです。
隔週で2章ずつ、半年かけて読んでいこうという試みです。

「それなら私にもできそう」
そう思い、夜のマイルールを破ってでも参加することに決めました。

北は北海道の私から南は沖縄在住の人まで日本各地からの参加に加え、
海外からも参加の総勢18名でこの本を読んでいきます。

ちなみに海外参加の人の現地時間は午前1時2時ということで、
「夜のリラックスタイムが~」なんてぼやいている自分を少し恥じました。

というわけで、「夜の読書会」が8月から始まりました。
来年1月まで半年かけてみんなで励まし合いながら深め合っていきます。

2週間に1回、寝る時刻が1時間半くらい遅くなりますが、
始まってみるとそれに値するくらいの有意義な時間だということを感じています。

「ポリヴェーガル理論」はステファン・ポージェス博士が提唱した理論です。

ポージェス博士はセラピストでも心理療法家でもありません。
行動神経学者として新生児の無呼吸の研究をしていて、
この理論に到達しました。

詳しい内容については省きますが、
博士の「自律神経系に関しての新たな発見」が発表されるや否や
博士の思惑とは関係なくある分野の人々に大きな反響がもたらされました。

それは、トラウマに苦しむ人々と関わっているセラピストたちです。
なぜクライアントさんたちがこのような状況になってしまうのか、
そしてその解決のための糸口を、この理論は提示してくれたのです。

ここまで読んで「ポリヴェーガル理論」をもっと詳しく知りたいな」と思った方は、
そしてかなり根性(?)がある人は、津田真人氏の『「ポリヴェーガル理論」を読む』
を読まれるといいかもしれません。

こちらは550ページの本で、難しい「ポリヴェーガル理論」をかなりわかりやすく解説していますが、
それでも難しくて、私は半分まで読んでくじけました。
後半の方が絶対に面白いと思いますが、忙しさにかまけて放り出したままです。
いつかは読み切りたいと思っていますが、「いつになることやら」という感じです。

「ポリヴェーガル理論入門」という本も出ていますし、
ここ数年で「ポリヴェーガル理論」関連の書籍はたくさん出ています。
読みやすいものもあるので、興味がある方は手に取ってみてください。

ということで、私の「夜の読書会」に話を戻します。

「ポリヴェーガル理論・臨床応用大全」は、
ポリヴェーガル理論をベースに世界最先端の臨床家たちが
様々な臨床応用を紹介している本です。

各章ごとに独立しているので、1章ずつ読み進めやすいと思います。

ただ、自分一人で読んで「ふむふむ」と理解したつもりになる読書とは違って、
他の人たちと内容について感想や疑問点などを出し合うとなると、
自分自身がある程度内容を理解していないとただの「お客さん」になってしまいます。
(少なくとも私はそう感じました。)

そこで私は各章を3回ずつ読んで読書会に参加することに決めました。
1回目は何となくモヤっとしていても、2回目に読むとけっこう内容が理解できます。
3回目には自分なりの意見や感想を自分の言葉で言えるくらいになります。

独りで読むことさえくじけていたのに、
読書会に参加するとなったら1章ごとに3回も読むことにするなんて、
自分でハードルを上げているなと苦笑します。

でもそのおかげでこの本の内容をかなり理解を深めて読むことができているように感じます。
独りだったらご縁がなかったこの本が、読書会のおかげで
この本とも全国のセラピスト仲間とも強いつながりができつつあります。

この先もくじけずに各章を3回ずつ読み進めていけたら、
半年後には私は「ポリヴェーガル理論」をもっと身近に感じ理解できて、
クライアントさんのために更に活用できるような気がします。

頑張ります!

ちなみにポージェス博士の妻のスー・カーター博士は、
「幸せホルモン」として有名な「オキシトシン」研究の世界的権威です。
夫婦で素晴らしい研究者なんですね。
しかも仲良しらしいです。
ステキですね。