少しずつ

掲載日:2023.09.12


厳しい暑さも、やっと少し治まってきましたね。

農作業をする気も起きないくらいの暑さが続いていましたが、
先日は最後のピーマンとナスを採り終えて、残るはセロリと紫蘇くらいなので、
畑の始末を少しずつ始めています。

小さな庭に今年も美味しい作物を実らせてくれた畑に感謝して、
来年に向けて少しずつ土づくりをしていきます。

我が家の畑には化学肥料は使わず、すべて有機肥料だったのも、
ふかふかの土に美味しい作物がたくさんできた理由だと思います。

耕していると立派なミミズが出てきます。小さいのもいます。
このミミズたちはマイナス20℃を生き抜いて今ここにいると思うと、
その生命力に感動さえ覚えます。

彼らに「この冬も頑張るんだね」とちょっとした仲間意識を抱きながら、
我が家で出る生ごみをたい肥にしたり、鶏糞や腐葉土などをすき込んでいきます。
それも少しずつ少しずつです。

少しずつと言えば、前回「夜の読書会」のことを書きました。
分厚い本を読む時間なんて取れないと思いあきらめていたけれど、
2章ずつ読み進んでいく読書会に参加することにしたら、
自分で1章ごとに3回も読むことに決めて読んでいる
ということをお伝えしました。

大きな塊のままだとくじけてしまうけれど、
それを小さな塊に分けて少しずつ扱おうとすると
何とか扱えるような気持ちになります。
そこに立ち向かえるのです。

これはセッションで扱う課題も同じです。

私のクライアントさんなら聞き覚えがあると思いますが、
いつも私は「少しずつね」と言います。

辛い出来事を扱う時には、
大きなものを大きなサイズのまま扱おうとすると
圧倒されてしまいます。
時には大きいまま向き合うことによって更に傷が深くなることもあります。

ですから、まずは軽めのものから扱ったり、
大きいものはサイズダウンして扱います。

扱えるサイズは人によって違うので、
私はクライアントさんの表情や顔色、声のトーン、呼吸などから
今のその人に適切な安全なサイズを判断します。

適切なサイズや軽めの事柄と向き合うことによって、
その事柄を乗り越えていくことができます。
そして、もう少し大きなサイズや重めのものと向き合える自信と力がついていきます。

こうして少しずつ少しずつ、辛すぎて向き合えなかった傷と向き合い癒していきます。
気がつけば、いつのまにかとても大きな痛みが癒されていることになります。

「急がば回れ」ではありませんが、
「早く何とかしたい!」と思えば思うほど、
「少しずつ」が一番確実な近道になると思います。

もしあなたが「大きすぎるもの」を抱えていたら、
扱えそうなサイズに分解してみて、
そのうちの一番小さなものから取り組んでみてはいかがでしょうか。