太陽(ティダ)の運命

掲載日:2025.06.03


今年も6月がやってきました。
私は6月になると毎年、いつもより強く沖縄を想います。
6月23日が「沖縄慰霊の日」とされているからです。

沖縄の日本軍のトップだった牛島司令官が自決したのが6月23日で、
この日をもって日本軍という組織での戦いは終わったということから、
6月23日は「沖縄慰霊の日」とされています。

今年は戦後80年だそうです。
80年前の今ごろ、沖縄は「本土を守るための盾」として、
米軍が上陸して日本軍との激しい地上戦に巻き込まれていました。

毎年同じことを書きますが、何度書いても足りないと感じています。
沖縄戦では、沖縄県民の4人に1人が犠牲となりました。
犠牲となった、つまりは命を落としたということです。

4人家族ならそのうちの1人は命を落とした。
友人が4人いれば、1人は犠牲になった。
ほんの少しでいいので、自分ごととして想像してほしいです。

そして命を落とさないまでも、
それ以上の多くの人たちが心身に大きな傷を負ったということです。

そして戦争が終わった後も、沖縄だけは27年間に渡って米軍の統治下に置かれ、
本土の人たちが復興に向けて生活再建をすることができる中で、
沖縄県民は耐えがたい苦難を経験し辛い思いを強いられてきました。

その後、正式に「本土復帰」となった後も米軍基地は残り、
沖縄の人たちは米軍による性被害や事件、事故の被害を受け続けています。

どうして沖縄の人たちばかりが犠牲を強いられるのでしょうか。
沖縄の人たちは日本人ではないのでしょうか。

沖縄の人たちばかりに辛い思いをさせたまま何もできないことに、
私はいつも申し訳なく思っています。

せめて6月だけでもいいので、
80年前の沖縄でどのようなことが起きていたのか、
戦後80年の間に沖縄の人たちがどのような苦しみを強いられてきたのか、
そして今も、沖縄が強いられていることはどのくらいあるのか、
一度だけでもいいので、本でもネットでもいいので、
自分で確かめてみてほしいです。

そして沖縄の人たちの心に寄り添ってほしいです。
他人ごとにせず、その痛みを感じてほしいです。

そのとっかかりとして今回紹介したい映画があります。
「太陽(ティダ)の運命」です。

1972年の本土復帰後の2人の知事、第4代の大田昌秀氏と第7代の翁長雄志氏。
政治的立場が違っていたこの二人の知事が、
理不尽に抗いながらも沖縄の平和のために歩み続けた軌跡。
それをたどる映画だそうです。

「だそうです」というのは、私もまだ見ていないからです。
自主上映なので、映画館が限られています。
北海道では、札幌のシアター・キノと苫小牧のシネマ・トーラスのみです。

上映されるのは東京でも二ヶ所のみで、各県で1か所程度のようです。

『太陽(ティダ)の運命』の公式ホームページに上映劇場の情報が載っていますので、
できればチェックして観てみてほしいです。

私も札幌まで観に行くつもりです。

思想的な何かを押し付けるつもりはありません。
ただ、沖縄の歩みや現状に目を向けるきっかけにしてほしいと思っています。

この映画を見て何を感じるのか、私にもまだわかりません。
ただ、監督の佐古忠彦氏は、誠実に仕事をする人だと感じています。
そんな人が思いを込めて撮った映画を観てみたいと思っています。