自分を尊重するための選択と行動

掲載日:2025.06.17


最近、気づきや変化がとても深まっているクライアントさんが何人かいます。

今回は、そのうちの1人、1年ほど前にセッションを終了したNさんの
近況を紹介させていただきます。

気づきの深まりの延長にある「自分を尊重する選択と行動」のプロセスは、
他の方たちにも大いに参考になると思うので、
ご本人の許可を得てシェアさせていただこうと思います。

別件のついでにということで最近Nさんからもらったメールでの近況報告です。
一つ一つのプロセスに大事なポイントがあるので、
ほぼ原文のまま掲載させていただいています。

注意深く読んで、宝探しをするように
「どこが大事なポイントか」に気づきながら読み進めていくことをお勧めします。

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8年前から父の会社において月5万円で、勤怠管理、給与計算、法務や労務、PC設定などの作業をリモートで行っていました。
その依頼は当時社長だった父でしたが、最近は長男である弟が社長となっています。

急に弟から電話があって、
「うちの会社の収益が悪い、総務の給与が高い、昇給は姉ちゃんの指示か?」
などと私を責める電話がかかってきました。
要するに収益が低いので焦って他責に走ったということなのですが、
私は怒りを抑えようとしてはたと考えました。
これは怒るべきところであると。
私は報酬以上の内容を真面目にこなした自信があり、これに文句を言うのは私の尊厳を侵害していると思ったのです。
そもそも、10人しかいない社員の給与をずっと放置して社長が把握していないなど鼻で笑う内容です。
ちなみに最低賃金に抵触する社員の給与以外には昇給提案を出していません。
なにやらワーワーと言い募って弟は電話をガチャ切りしてきました。

私は一晩考えました。
その時に、紀代子さんに教わったプロセス、感情をよく感じること、次に境界を手で守ってみるのをやってみました。
するとです、前は身体の目の前に広げたはずの手が、腕いっぱいに伸ばした先になったんです。
自分の境界がこれほど広がっていたのに驚きました。
それと同時に、そこに幕がかかったようになって、弟の罵倒が薄く遠く感じられたのです。
これが自分の境界であって領域なのだと、やっと理解できて涙が出ました。
この中は安心のスペースであって、自分にやましいことがないのだから堂々としていていいのだと思いました。
しかし、そうではないと更に思いました。
やましいことがあるとか正しいとか関係なく、このスペース自体は安心していいスペースなのだと。
留保付きの愛情しかもらっていなかったから、最初は正しくなければスペースを守っていいのだと思えなかったのですね。
普通はこんなに安心感がある生活ができるものなのだと思いました。
それと、他人の領域もちょっと見えるようになりました。
前は自分はノーガードで、更に他人の領域も見えなくて手探りで傷つけないようにコミュニケーションを取っていたのだから、それは疲れるはずだと思いました。

結論として、もうこの仕事からは手を引くことにしました。
弟が困るかもしれないし倒産するかもしれないけど関係のないことです。
とはいえ、まず父に電話して伝えることにしました。

父は、月5万では安すぎたが、10万は高すぎるとして母がキレたので5万にしたこと、
一生懸命やってくれたのに報えなかったことを率直に謝ってお礼を言ってくれましたので
とてもうれしかったです。

弟には今までやっていた業務一覧と、10月末までには辞めること、引継ぎ対象の会計士、社労士、社員の選定をすること、それ以前に辞めても構わないことなどを文書にして送りました。

自分の境界を意識して守れました。前に母と絶縁した時とはまた違う感覚ですね。
そしてこの引継ぎが済むと実家とのかかわりはゼロになります。

あとは大人になる娘との間に、大人同士の境界を引いて信頼できる付き合いをすること、
これができればいいのかなと思います。

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あなたはNさんのこの報告から、どれだけ宝をみつけられたでしょうね。
少なくとも5ヵ所見つけられたら合格ラインです (*^-^*)

「コラムの読者の役に立つと思うから」と掲載の許可を求めた時に
Nさんから更に届いたコメントも再度許可を得て以下に掲載します。

> 今考えるとお店で売っているそれっぽい本に書いてあったのが
> 今わたしが至った境地ではあるのですけれど、
> 死にそうな心からすると
> 「まあ言いたいことはわかるが何言ってるのかよく意味がわからん
> …しかもそれ出来たら苦労せんやろ…」
> なわけで、前の私がこの文章を読んでも何言ってるかはわからないと思うのですが、
> 「もともと死にそうだった人でもこの境地になれるのか!」
> くらいの役には立つような気がします。立つといいな。

快く掲載許可をしてくれたNさんに感謝です。

セッションを受け始めの頃の多くのクライアントさんたちの心境が
このコメントにはよく表現されているのではないでしょうか。

ただ頭でグルグルしてるだけの時には、
「頭ではわかるけど、そんなに簡単にできたら苦労しないわ!」と思うだけだと思います。
でも、セッションでしっかりと自分と向き合っていくプロセスで、
自分に起きていたことに気づき、
そして徐々に自分にとって大事な判断ができるようになっていくと思います。

> だいぶ気楽に生きられるようになってきました。
> 引き続き楽しく生きられるようにしていきたいなと思います。

「未来に希望が見えない」
「自分の人生が良くなるなんて思えない」
今はそう感じている人も、自分を抹殺してしまいたいと感じている人も、
自分と向き合った先には
Nさんのような心境になれるということをお伝えしたいです。