心が傷ついたり凹んだりした時の手当ては?   「プチうつ」の季節でもありますね

掲載日:2017.03.07


 3月を迎え、心の状態はいかがですか?
相談を受ける経験上、秋と2月3月には「プチうつ」になる人が少なくないと感じています。この季節に大切な人を亡くされたり辛い出来事があった人はもちろんのこと、特に何もない人でも、この季節はちょっぴり「うつ」っぽくなることはよくあることです。そういう状態になっている人は、あなただけではないので心配しないでくださいね。もう少しすると、このトンネルを抜けられますからね。

 10年近くセッションを続けているクライアントさんがいます。特に大きな問題はないけれど、時に仕事上の自分の立ち位置を確認したり、気持ちの整理や心のお掃除などにこの時間を使っています。心を整えたり自分をより深めたり高めたりするために月に2回このような時間を持つという上質な使い方をしている人です。
 その彼女との先日のセッション冒頭、私が「ご機嫌いかが?」と聞くと、「ほぼほぼ元気です」と答えた彼女。「紀代子さんは?」と問い返されて、「私もほぼほぼ元気かな」と答えました。すると「珍しい!紀代子さんがそんな返事をするなんて」「紀代子さんはいつも元気なのに」と言われました。
 実はその前日、個人的にかなりイヤな思いをしました。プロとして、セッションに影響を及ぼすことはありませんが、実はまだ生々しい思いを抱えていました。なので、「元気よ!」と言うことはできませんでした。
 私も生身の人間なので、イヤなことや腹立たしいことは人並みに起きていると思います。ただ、それらをどれくらい大きく受け止めるかは、少しは人と違うかもしれません。たいていの人が大きく傷つくことであっても、私はそれほど大きく受け止めずに流すことはできると思います。嫌なことを抱え込んでいる時間も、かなり少なくて済むと思います。起きることは同じように起きてはいますが、それによってどれだけ大きくダメージを受けるかとか、どれくらい引きずるかということが、たぶん人よりは軽く済むような気がします。これはもともとそういう性格だったわけではなく、修行(?)の結果です。(笑) だから誰でもそんなふうに「心を軽く生きていくことができるよ」ということをセッションの中でも伝えています。
 「紀代子さんは凹んだ時、どうするんですか?」と聞かれ、「この秘儀を教えるには10万円くらいかかるわね」などと冗談を言いながら、「私の場合はね」という話をしました。
 傷ついた時、凹んだ時、腹が立った時、あなたはどんなふうに対処しますか?
私は最近は傷つくことってほとんどなかったんですけど、そんな時には特に猫たちに癒してもらいます。抱っこしたり撫でたりするだけで、(ベタですけど)癒されます。
 そんな猫の「こじ」は先日、娘のものすごく高かったらしいセーターを食べて穴を開けてしまいました。(娘は涙目になっていました。)「サチ」は回線をかじって、2日間ネットも電話もできなくなり私の仕事に大きな支障が出たこともあります。2匹は他にもいろいろとやらかしてくれています。そんな「大迷惑な天使たち」ですが、心が傷ついた時には「こんな日のために、キミたちの傍若無人な振る舞いを、私は寛大な心で許していたのね」と思えるような大きな癒しを与えてくれます。
 あと私がよくやっていることは、「気持ちや感情をノートに吐き出す」。本当は私のようなセラピーやコーチングをしている人に話を聴いてもらえればいいんですけど、相手の聴き方が上手じゃないとかえってストレスになるので大抵は自分でやっています。必要な時にはウォーキングをしながらセルフコーチングをする時もあります。他には「好きな音楽を(スマホとか小さいものではなく)スピーカーで流して、その音質・音響に包まれる」などです。それほど人と違ったことはありません。「買い物をする」もあるのですが、これは買い過ぎたりおかしなものを買って後悔につながり、なおさらストレスになることもあるので要注意です。「アイスを食べる」も、一度に2個以上食べて自己嫌悪に陥った時もあるので、気をつけています。
 あとは、めったにないけど「抱えきれない思い」を抱えた時には、車で30~40分ほどの滝に行きます。気分によって、上から落ちてくる滝や扇のような広がりのある滝のところに行って、その流れを見ていると、辛い気持ちを流せることもあります。
 「傷ついた」と言うよりは「腹が立った」「ものすごい怒りを感じた」という時には、「フクヤマのGangをかけて踊る」(このカミングアウトは、ちと恥ずかしい・・・)。最近は、社会的には別にして個人的に大きな怒りを感じることはほとんどありませんが、数年前に友人が知り合いの男に卑劣なやり方で心身ともに傷つけられたと知った時には、吹雪の中でゴジラのようにうなりまくったこともありました。大きな怒りを感じた時には、これはなかなかいいですよ。吹雪の中、人がいないところで大声で怒りを吐き出す。おススメです。
 あとは、日常をいかに快適に過ごすかですね。普段使いの物を気持ちの良いものを使う。私は、バスタオルが吸湿性がよくかつ肌触りが良いものにはこだわっています。あとは、毎日飲む日本茶やコーヒーを楽しんでいます。好きな香りも身近に置いています。時々、好きなアーティストのコンサートに行きます。以前は上等のリンパマッサージをとっても安くしてくれる人が身近にいたので週一で受けていたのですが、彼女が離婚して辞めてしまったのでそれが受けられなくなったのは残念です。「お互いに高め合える人との会話」も、気持ちよく生きるために大切な時間です。
 みなさんは、傷ついたり凹んだりしたときの対処法をちゃんと持っていますか?救急箱に応急処置用の薬を入れておくように、心の救急箱にも自分に効く「心の処方箋」を用意しておくといいですね。そして、ケガや病気になりにくい体を維持するために食事や運動に気をつけるのと同じように、心の免疫機能を高めておくために日常の小さなことを大事にするといいですね。自分をご機嫌にしておくことが、何かあった時にそのダメージから「心」を守ってくれると思いますよ。
 そうやって気をつけていても、当たり事故や通り魔的に傷つけられることもあります。一人では対処できない痛みを抱えた時には、私のような「プロ」に聴いてもらうことは効果があると思います。痛みを軽減したり、長い間苦しまなくて済むように、上手に使ってもらえるとうれしいです。そんな時にお役に立てるように、私も日々学び続け精進しています。
 そうそう、私の一番のエネルギーの源は、セッションが終わった後のクライアントさんの弾んだ声です。みなさん、いつもありがとう。