2018年を振り返って思うこと

掲載日:2018.12.25


2018年最後のコラムです。

残り1週間を切った今、私の心に浮かぶことを書いてみます。

今も最も心に痛みと怒りを感じていることは、沖縄のことです。
沖縄の多くの人たちが辺野古の美しい海を埋め立てて基地を作ることに反対なのは、
辺野古への移設反対を明確に掲げた玉城デニー氏が大差で当選し知事となったことが証明しています。

多くの沖縄県民が「イヤだ」「止めてほしい」と強く願い言葉や態度で表明していることを、
安倍さんも菅さんも「沖縄県民に寄り添う」という言葉を使いはしましたが、
(今年だけでも、彼らの使う「言葉」に「命」や「心」が無いことを何度も感じましたが)
寄り添うどころか完全に無視して自分たちのやりたいことを力づくで推し進めています。

その一方で安倍さんたちは、おかしな検定で教科書まで自分たちに都合のいいように変えて
子どもたちに「道徳教育」を実施するよう動かしてきました。

「道徳」なんて持ち出すまでもなく、
「子どもは言われた通りにはしないが、(大人が)やったようにはする」というのは、
子どもにかかわってきた大人なら誰もが感じていることではないでしょうか?

親や教師がどんなに立派なことを説教したとしても、
その大人の行動が合致していなければ子どもたちは言うことは聞かないし、
逆に大人が良い行動をとっていれば、何も言われなくとも子どもたちはそれを真似すると思います。

道徳教育では「うそをつかない」「人に優しく」「公平」「平等」「人を尊重する」、
あとは「民主主義」とか「力を使って人を従わせない」なんていうことも書いてあるのかな?
(本当は、彼らが一番教え込みたいのは、「愛国心」や「国に誇りを持つこと」のようですが。)

本来はもっともなこのようなことと真逆のことをやってきたのが、安倍さんたちだと私は思うのですが、
全くどのツラ下げて「子どもたちに道徳教育を!」なんて言えるのでしょう。

平気でウソをつき、自分の気に入った人たちを優遇し、誰かが傷ついても知らんふり。
話し合いなんてしようともせず、自分たちのやりたいことを力づくでやり通す。

一度、安倍さんに「道徳」や「民主主義」について子どもたちに授業をしてもらうってどうでしょう。
どんな授業をするのかな? できるのかな?
言葉に心が無いから、痛みや恥ずかしさを感じることなくできるのかもしれませんね。

沖縄と同様に心に痛みを感じていることがもう一つあります。
今年の豪雨をはじめとする災害の被災者の方たちの現状です。

聞くところによると、修理・修繕のための資材や機械や人が足りなくて、
いまだに屋根をブルーシートで覆って雨漏りをしのいだり、
壁や床が泥にまみれたままになっている家で
不便や不安の中で暮らし続けている人たちが多くいるようです。

「もし自分がそういう状況に置かれたら」と、ほんの少しでも想像してみてください。
私だったら、泣けてくるし、生きる気力も削がれてしまいそうなくらい情けなく感じると思います。

東京ではオリンピックのために、地方から多くの資材や人や機械が集められています。
東北の復興も後回しにされて、オリンピックの準備に人も物もカネも注がれています。
私は日本でオリンピックを開催してほしいって別に思わないんだけど、
誰が何のために一番やりたがっているのかな?

更に、震災や豪雨や原発事故の被災者や被害者へは
「財源が無いから」と切り捨てたり支援を打ち切ったりしているのに、
「防衛費はダントツの伸び」ってどういうこと?!

一機100億~150億円するという(この値段の幅もすごいよね!)F35ステルス戦闘機を
新たに105機アメリカから買うことに決めたんですって。
1機100億円以上だって!  100億円を100機って、いくら?
ゼロが多すぎて目がチカチカ頭がクラクラする。 

それを将来的には150機にするんですって!
戦闘機だけでそれですよ。他にも数千億円のイージスアショアを2基ですか?
まだまだあって、防衛費だけで何兆円もかけるんですって!

「財源が無い」って言って、辛い思いをしている国民を切り捨てて、
アメリカからは言い値でホイホイ高い買い物をするんだね。
安倍ちゃんはトランプくんの言いなりだね。
どこが「誇り高い国」なんだろう。

「今の日本って北朝鮮みたい」って、私は感じます。
食糧難でこそないけれど、国民が辛く苦しい生活を余儀なくされているのに、
そこには目もくれず軍事費に莫大なお金を使うなんて、「似てるな~」って思うのよね。

トランプくんの言いなりにホイホイと軍事費にお金をつぎ込むくらいなら、
いろいろな災害や公害や薬害や国や行政の不手際で辛い思いをしている人たちに
ちゃんと生きたお金を使う方がいいと私は思うんだけど、何か間違ってる?

日本を取り巻く軍事的な環境が厳しいから軍事費の増額は必須なんだという意見もあるけど、
たとえそうだとしても、こんなふうにアメリカの言いなりで軍備を増強していく日本を、
周辺国はどんな風に見るのでしょうね。

「平和のために」と言いながら軍備にお金をかけるのではなく、
もっと心や頭を使って、どうやったら周りの国々と仲良くできるかを考えたほうがいいんじゃね?

どんなことでも、お金や力を使って短絡的にやるのは、愚かな人のすることだと思います。
心を込めて丁寧に相手とコミュニケーションしていくことは、
時間もかかるし実は頭もエネルギーもとても使います。
まさに、人としての能力すべてを使う大仕事です。

でもね、トップに立つ大人がそうして頑張っている姿を見せることこそが、
子どもたちにとても大切なことを伝え、自分の国に誇りを持つことになると思います。
そんな努力をすっとばして、暴力でやっていこうとするなんて、〇〇じゃねーの!

これから周辺国との軍拡競争がますます激しくなって軍備にお金がつぎ込まれ、
国民の最低限度の生活が脅かされるくらいなら、
最悪よその国に侵略されてもいいと思うくらい、私は腹をくくっています。

誰を指すのかわからない「国民」を守るために、
沖縄の人たちの安心・安全や普通に暮らす権利を侵害したり、
いろいろな要因で辛い状況に置かれている多くの人たちを置き去りにするくらいなら、
侵略されて日本国民全員が平等に辛い状況に置かれる方がいいと私は思っています。
誰かの犠牲の上での自分の安心安全なんて、いらない!

福島の原発事故が起きた後、半年くらい後だったかな~?
「これからは原発に注ぎ込むお金を再生可能エネルギーの研究や開発に使う方がいい」
「それだけの資金を投入すれば、自然エネルギーが原発に代われるはず」と書いたことがありました。

その時の私は科学的根拠を全く持ってはいなかったけれど、
自分の感覚から、そう発言しました。

日本はあんな悲惨な事故にもかかわらず、原発を止めるどころか、
自国の安全もコントロールもまだできていないのに、
よその国に原発を売るという「成長戦略」を取りました。
この暴挙にはびっくりというか、信じられない思いでした。

そして今、日本が原発を輸出するつもりだった国々から次々と、
その計画を凍結、撤回、撤退、白紙などされて、政府も大企業もあわてています。
そんな姿を私は冷ややかに眺めています。

その一方で、日本では今、各地でそれぞれの思いを持った人たちが、
太陽光や風力、水力で発電する地域型のエネルギー事業を始めています。

そこでは、初めは反対の人たちもいたけれど、時間をかけて丁寧に
何度も何度も話し合いをして、最終的には「みんなでやっていこう」という合意に至ったと言います。

普通に生きている地域の人たちが「自分たちのまちや未来をどうしたいか」について
知恵を絞り対話を重ねていく。
そこでは、「何を大事にしていきたいか」が話し合いを重ねるにつれ明確になっていく。

それは効率的ではないけれど、暴力的ではない。
空気も水も土も汚さない。
誰にも悲しい思いや辛い思いをさせない、犠牲にしない

このようなことが日本のあちこちで実は起きていることを知り、
ここに「民主主義」があることを知り、私は希望を感じています。

来年は、この国に住む人たち誰もが大切にされる、
辛い状況に置かれている人たちをそのままにしない、
そんな政治がなされるといいなと願っています。

外国から来て働く人たちを含めて、どのような人たちも、
その命や生活を大切にされる社会にしていきたい。

自分や他人を故意に傷つけない限りにおいて、
LGBTXの人たちに限らず、誰もがその生き方が尊重される社会にしていきたい。

私は、特定の思想を持っているわけでも宗教に入っているわけでもありません。
考えや行動を他人から決められることは嫌いなので、組織にはなじまない人間です。
自分で感じて考えて、自分の責任で発言しています。

痛い目に合うかもしれないけれど、来年も自分が感じたことや考えたことを発信していきます。
一人一人と関わってその心の痛みを開放し本来の可能性を開くお手伝いをすることと同じくらい、
それは今の私にできることの大切な一つだと思うから。